絵本 |
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□ 題名 | 魔法の夜 | ||||||||
□ 作 | アルブレヒト リスラー | ||||||||
□ 原作 | ドミニク マルシャン | ||||||||
□ 発行 | 講談社 / 2001年11月 | ||||||||
□ サイズ | 26 x 21.2cm・26ページ | ||||||||
雪の降るクリスマスの夜に願うことは何ですか……? 外灯と家々の灯りをたよりに、 街の中をあてどなくさまようホームレスの老人…… クリスマスは、街並みを変えてしまいます。 そこかしこから聞こえてくるクリスマスソング。街路樹を彩るイルミネーション。 技巧の限りを尽くし華やかさを競い合うデパートのディスプレイ。 家に帰れば、テレビやラジオのクリスマス特集。ネットを覗けば検索をしなくても様々なクリスマス情報にたどり着きます。 なんだか街中がときめいて、ふわふわとしているように感じます。 このような雰囲気も手伝うからでしょう。 クリスマスは特別な日となって、私たちを日常とは違った世界へ連れていってくれます。 だから……奇跡は起こるのです! 起こったっていいのです。 クリスマスには、奇跡が似合います。 だから人々は…… 愛する人に心の内をあかしたり、サンタクロースにプレゼントの約束をしたり、家族の幸せを願ったりするのかもしれません。 けれど、お願いをした人だけに奇跡が起こるのではありません。 きっと心優しい人には、向こうから幸せが寄り添ってくるものなのでしょう。 街をさまよう老人の前に……魔法使いが現れます。 魔法使いは言います。 「おなたの 願いを かなえて あげましょう」 老人は、すぐに迷うことなく答えます。 「わしは、昔から 犬が ほしかったんだよ」 あー! そうだったんだ…… 老人の照れくさそうな、それでも子どものような笑みをたたえた顔が思い浮かびます。 そんな老人がほしいものは、金品や住居や食料じゃないんです…… おそらく長い放浪の中で、体から数え切れないものを削ぎ落としてきたはずの老人から出たひと言は…… 原石をていねいに磨き上げた末に完成する「宝石」のような感じがします。 そんな言葉に対応するには、並大抵でいいはずがないのです。 真摯に……真摯に…… 魔法使いは、とても真摯に応えてくれるのです…… 私の心を揺さぶった結末は…… ぜひ「魔法の夜」を手にして味わってみてください。 |
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題名:魔法の夜 |
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