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紙芝居

 題 名 じごくけんぶつ
 監 修 松谷 みよ子
 脚 本 水谷 章三
  藤田 勝治
 発 行 童心社 / 1984年9月
 サイズ 26.6 x 38.2cm・16場面

 解説によりますと、「『閻魔の失敗』という名称で呼ばれている一群の笑い話」であり「東北から九州までの日本本土全域に分布」しているお話だそうです。

 そんなわけで私達は、同じようなお話をいろいろな形で見聞きしています。
 その中の一つ「じごくのそうべい」は、このお話の絵本版です。

 もしかしたら誤解していた人がいるかもしれませんが、関西方面だけに伝わるお話ではないのです。
 絵本「じごくのそうべえ」の関西弁は、とても印象的ですからね。

 ところで、花が咲き、空気がぬるみ、浮き立つ気分になる季節に、「何で地獄を見物しなくちゃいけないんだ!」と思っている人はいませんか?

 けれども進学、進級、就職……結婚??? の季節だからこそ、地獄見物なのです。

 主人公は、なまけ者の軽業師、歯抜き師、山伏の三人です。
 この三人が地獄に落とされるのですが、タイトルの「けんぶつ」という言葉通りに、なんなく地獄からこの世に帰ってきます。

 そして、軽業師が言うのです。
 「じごくったって たいしたことは ねえなあ」

 恐い場所の象徴であるはずの「地獄」が、お花見をするための公園のように思えてきます。
 勇気が出てきます。
 新たな見知らぬ世界に旅立つ人に、大きな力を与えてくれるはずです。

 しかしその後に、歯抜き師が言います。
 「まったくじゃ。いきとるうちのほうが よっぽど じごくじゃ」

 いいですね! いろいろと考えちゃいます。

 地獄を笑い飛ばすことができるなら何でもできる!
 というような前向きな気持ちになった上で、今後の新生活に挑んでいく覚悟を迫られる。

 ……なんていうことも考えられます。

 でも、地獄から生還した三人のように、簡単に地獄を切り抜けていくための方法はあるのでしょうか?
 それは、「じごくけんぶつ」を見れば分かるかもしれませんよ。

 いろいろと演じることのできる楽しい紙芝居です。

 

題名:じごくけんぶつ

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