最初に、タイトルの「たのきゅう」とは何なのだろうと興味をひかれました。
でも、すぐにわかりました。
オープニングの「むかし、むかし」のすぐ後に、「ある ところに たのきゅうと いう、おかしな なまえの たびやくしゃが おった」と書かれていたからです。
(な〜んだ。ただの名前か〜)と思っていましたら、この名前が、物語の展開に大きな役割をはたすことになったのです。
ちょいと秘密を明かしてしまいますと、
「たのきゅう−たのきゅ−たのき−たぬき−タヌキ−狸」
ということになります。
「たのきゅう」は「狸」と、とっても間違いやすい名前でした。
ですから名前は、どうしても「たのきゅう」でなくてはいけません。
「それだったら、タノキン(古っ!)でも、タナキュウでも、タニキュウでも、なんでもよかったんじゃないの?」という声も聞こえてきそうですが、ダメなようです。
この「たのきゅう」は、落語にもなっている話で、落語絵本で有名な川端誠さんが、絵本にしている話でもあります。
こちらを見てみると、この旅役者は、田能村の久平さんということで、「たのきゅう」と呼ばれているということでした。
落語ではこうなっていますが、「たのきゅう」は、日本の各地に伝わる昔話です。
ところによっては、芝居上手の田野久蔵であったり、富山の薬売りの田の久だったりしているようです。
ちょいと紙芝居の紹介から、わき道にそれてしまいました。
でも、内容を変化させながら、日本各地に広まった昔話が、おもしろくないはずはありませんよね!
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