幸運は、けっこういろいろな所に転がっているものなのかもしれません。
でも、それを見つけて拾い上げることは、誰でもができることではありません。このようなことは、多くの人が知っています。簡単じゃないから、みんながんばっているんですよね。
でもときどき、なにげなく買った宝くじで一等賞を当ててしまうようにして、幸運を手に入れてしまう人もいるものです。
この絵本に登場する木こりも、その一人でした。
木こりは、とつぜん王様になって、城に住んで、たくさんの宝物を手にするのです。
でも、幸運を持ち続けることも、簡単なことじゃないんですよね。
こういった教訓は、いろいろなお話を読んだりしてわかっているのですが、未熟者の私は自分がその立場にたった時のことを考えてしまいます。
あんなことは、絶対にしない! ああやって、こうやって、そしてこうすれば、手に入れた地位や宝を持ち続けられるはずだ、なんてことに思いを巡らすのです。
こんなとき、ふっと我に返ると悲しくなります。
「まだ何も手に入れてないじゃないか〜!」
そして、この悲しさによって、こういった物語のほんとうの教訓を知ることになります。
そしてそして、「ちゃんと、ほんとうの幸せをさがさなくっちゃ」なんてことを静かに思うのです。
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