絵本 |
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□ 題名 | もけら もけら | ||||||||
□ 文 | 山下 洋輔 | ||||||||
□ 絵 | 元永 定正 | ||||||||
□ 構成 | 中辻 悦子 | ||||||||
□ 発行 | 福音館書店 / 1990年11月 | ||||||||
□ サイズ | 25 x 24cm ・ 32ページ | ||||||||
文を書いている山下洋輔さんは、ジャズピアニストです。山下さんの演奏する音楽は、前衛を意味するアバンギャルドジャズなどと呼ばれたりすることもあります。また、山下さんは、タモリさんが芸能界入りをするきっかけとなった人です。 タモリさんの初期のころのネタに、「ハナモゲラ語」というものがあります。この言葉は、山下さんを含めたジャズプレーヤーなどの仲間たちの間でも大流行していたようです。 私は、「もけら もけら」という題名を見て、すぐに「ハナモゲラ語」を思い出してしまいました。 ここまでは、私の知ったかぶりです。 ここまで書いておきながら、がっかりするかもしれませんが、「もけら もけら」の中で書かれている文字は、ハナモゲラ語ではないように思います。 なぜならばハナモゲラ語は、でたらめで意味もないのに意味があるように感じる「らしさ」や、日本語らしさ、英語らしさ、中国語らしさといった「らしさ」を備えているものだからです。けれども、「もけら もけら」で書かれている文字には、「らしさ」がありません。わざと意味を感じることのないような文字を選んでいるようです。 もし、文字が先にできていたならば、これは山下さんの元永さんに対する挑戦なのかもしれません。 元永さんの絵は、意味のない山下さんの文字に負けないくらいに意味がなくて、それでいて「これしかないだろう!」と思ってしまうくらいにハマッています。 でも、不思議なことに、文字と絵が意味をなくそうとすればするほど、私たち読み手は、意味のある文字や絵を見ている以上に、いろんなことを想像して遊ぶことができるのです。 でも、一番遊んで楽しんだのは、文を書いた山下さんと、絵を描いた元永さんではないかと思っています。 |
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題名:もけら もけら |
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