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題名  (こどものとも0.1.2. 2010年9月号)
元永 定正
発行 福音館書店 / 2010年9月
サイズ 20 x 19cm・18ページ
 手遊びは、どうしてもできない。

 なぜなら……恥ずかしいからだ。

 これは、もうどうしようもない。
 恥ずかしいものは恥ずかしい。
 誰が何と言おうと恥ずかしい。

 理由を聞かれたって分からない……
 恥ずかしいから恥ずかしいで何が悪い!

 だから無理してやらない。
 たとえ誰かに文句を言われたとしてもやらない……
 
 ……絶対にやらない!

 無理してやっても楽しくない。
 私が楽しくなければ、子どもだって楽しくない!

 ……なんてことを言いながら、やるのをかたくなに拒んでいる。

 他の人と一緒にやるおはなし会で、誰かが手遊びをやる時は、来てくれた子どもたちの横や後ろに下がる。
 それでも子どもが振り向いたり、どうしても子どもの視界から外れることが出来ないことがある。
 そんな時に子どもの視線を感じると、私は硬い微笑を浮かべつつ、ぎこちなく指先をお愛想程度に動かす……


 ……けれども手遊びは、見ているだけなら楽しい。

 子どもたちが喜んでいるのが分かる。
 体を動かして楽しんでいる子どもの姿は、活き活きしていてとてもいい。

 私が言うのもなんだけれども……
 手遊びができる人は、どんどんとおはなし会のメニューに取り入れてくださいね。


 私は、そんな手遊びの代わりに早口言葉などをやる。
 それに、ふつうの絵本でも「参加型」にできそうなものを見つけて、オープニングや気分転換したい場面で使っている。

 元永さん作の「わ」も、そんな絵本の一つだ。

 これは、盛り上がりますよ!

 どうするかというと……

 「わ」の文字だけを、みんなに読んでもらうだけ。

 大盛り上がりにしたいなら、「もっと大きな声を出して!」と言えば、子どもたちは叫んでくれます。

 少しだけ演出を加えるなら……

 描かれている「わ」の大きさや太さに合わせて、声の出し方を変えてみると、さらにおもしろくなります。


 でも、盛り上げ過ぎに注意してください。
 次に「よみっこ」する絵本のことを考えて、ほどよく盛り上げましょう。


………………………………………………………………………

 みんなに声を出してもらうには、1〜2回の練習が必要です。
 たとえば手を前に出したら、みんなで「わ」を言うというような合図を決めておけば、すぐに声を出してくれます。

 

*「わ」は、月刊誌「こどものとも0.1.2.」で発行されたものです。
 図書館などで探してみてください。

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