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絵本

 題名 クリスマス プレゼントン
  スズキコージ
 発行 ブッキング / 2003年10月
旺文社 / 1979年1月(絶版)
 サイズ 21 x 14.8cm・100ページ
 <物語絵本。長いです>
………………………………………………………………………

 さらっとなにげなく見てしまうと、この本の題名は……

 「クリスマス プレゼント」……だと思ってしまいます。

 でも、最後に「ン」が付いているのです。
 スズキコージさん、おそるべしです。

 「ン」が付いたことによって、最後は「トン」になります。
 このトンの語感が、とってもかる〜くて、無邪気にふざけている感じがしていいです。

 表紙には、雪をかぶった大きなクリスマスツリーの周りを、11〜12人の男女が手をつないで取り囲んでいる絵が描かれています。わけがわかりませんが、なにやら楽しそうに踊っているようです。

 この絵と題名を見ただけで、フワフワと浮き上がって、どこにでも行くことができるような気になってきます。
 この時点で頭の中は、スズキコージ菌に冒されてしまっているのかもしれません。

 中身を読み進めていくと、ほんとうにフワフワと軽やかに、とんでもないことが次から次へと起こるのです。けれども、なんの疑問も感じません。
 「ある、ある、こんなことってあるよな〜」なんて思ってうれしくなってくるのです。

 でも、本を見ていない時には「そんなことあるわけないだろ。ふざけるなー!」なんてことを思うかもしれません。
 不思議です。やっぱり本を見ているときは、何かに冒されているのです。

 スズキコージさんは、他人の空想や夢や体そのものの中にドスドスと入ってきます。そして、入ってこられた本人さえも気付いていない未知の世界にまで分け入ります。
 そこで、やわらかい手つきで、他人の空想や夢や体の中をナデナデしているのかもしれません。

 これが、スズキコージ菌に冒されている状態です……

 ……そんなことはどうでもいいんです。
 とにかく、スズキコージ菌に冒されるのは快感なのです。

題名:クリスマス プレゼントン

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