絵 本 |
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□ 題 名 | シナの五にんきょうだい | ||||||||
□ 文 | クレール・H・ビショップ | ||||||||
□ 絵 | クルト・ヴィーゼ | ||||||||
□ 訳 | 川本 三郎 | ||||||||
□ 発 行 | 瑞雲舎 / 1995年10月 | ||||||||
□ 原書発行 | 米国 / 1938年 | ||||||||
□ サイズ | 20 x 27cm・46ページ | ||||||||
最初から最後まで、途切れることなくクイクイっと物語の中に引き込まれてしまう絵本です。 黒とだいだい色の2色刷りの絵も、とっても楽しくて魅力的です。 シナの五人の兄弟は、それぞれが人間離れしたものをひとつずつ持っています。けれども、それが何の役にたつんだ? というものばかりです。海の水を飲み干すことができたり、鉄の首を持っていたりということなのですから。でもこれだけで、興味をそそられますよね。 この絵本の中で、ひとつ不思議なことがあります。 「シナの五人にんきょうだい」は、長男が、ある男の子のために牢屋に入れられてしまい、その後、兄さんのために弟たちが大活躍をする話です。 けれどもなのです。重要な登場人物だと思う「男の子」が、一度も絵に描かれていないのです。 この男の子は、物語の中で、突然に長男の前に登場していて素性がしれません。そして、人の良さそうな長男との約束を破るし、しまいに「あっかんべい」なんてこともするし、けっこう憎たらしいのです。 私は、男の子に向けられるかもしれない読者の憎しみを避けるために、描かなかったのではないかなと思うのです。 絵本を読んでいて、もし男の子のことが気になったら、ちょいと考えてみてくださいね。気にならなかったら、考えないでください。 だって「シナの五人にんきょうだい」は、そんなことまったく関係なく楽しめる絵本なのですから。 |
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シナの五にんきょうだい/名作絵本 |
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