絵 本 |
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□ 題 名 | ちいさいおうち | ||||||||
□ 文・絵 | バージニア・リー・バートン | ||||||||
□ 訳 | いしい ももこ | ||||||||
□ 発 行 | 岩波書店 / 1965年12月 | ||||||||
□ 原書発行 | 米国 / 1942年 | ||||||||
□ サイズ | 24 x 25cm ・ 40ページ | ||||||||
1943年にコールデコット賞(米国の児童文学賞)を受賞している絵本が、今の時代にも大きな声で訴えかけてきます。 「ちいさいおうち」は、田舎の静かな場所に建っています。 けれども、時は流れ開発が進みます。「ちいさいおうち」の周りの田畑や緑は切り崩されて、アスファルトの道路が通り、鉄道が引かれ、ビルが建ち並んでいきます。 いつしか人も住まなくなった「ちいさいおうち」は、それでも大都会のビルの隙間に埋もれるようにして建っているのです。 ある日「ちいさいおうち」は、その家に住んでいた人の子孫の女性が現れたことによって、そのままの状態で、ふたたび田舎の静かな場所に移動することになります。 「ちいさいおうち」は、トラックに引かれて走り出します。 この時です。せわしなく動きまわっていた都会の時間が止まるのです。この見開きページは感動的です。 「ちいさいおうち」の移動の間、たくさんの人たち、たくさんの車などが足止めをされます。それらの人たちの中には、イライラしながら、「この忙しい時に何をやっているんだよ」と思っている人もいるでしょう。そしておそらく「ちいさいおうち」が走り去ると、何事もなかったように、いつものけたたましい都会の日常が再開されるはずです。 それでも足止めされていた間、「ちいさいおうち」がなぜか気になっていた人もたくさんいたのではないでしょうか。 そのような人たちでも、「ちいさいおうち」が走り去った後は、頭をぶるぶるっと振って、気になっていた何かをどこかに追いやり、またせわしなく歩き出してしまうはずです。 でも絵本は、ながめ続けることができます。最初に戻って読み返すこともできます。 「ちいさいおうち」は、このようして何度も何度も読み続けていきたい絵本です。 |
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ちいさいおうち/名作絵本 |
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