物語は、とてもオーソドックスな展開の昔話です。
でもこれが、いいのです。王道です。
安心して、お話を楽しむことが出来ます。
正直な働き者の豆吉どんが、魔法のこな薬を手に入れます。
でもそれを、楽なことばかりしている怠け者の佐助どんに横取りされます。
……もう必要ないでしょう!
おそらく、これだけで物語の概要は、わかってしまったのではないでしょうか。
でも一つだけ、とっても気に入ったところを紹介しておきます。
最後の12画面です。
豆吉どんは、かわいいお嫁さんのひざ枕で、耳かきなんぞをしてもらっています。
とても幸せそうです。
これはこれで、話の結末としていいのです。
でも、気に入ったのは、同じ画面の中の佐助どんと、ばあさまです。
佐助どんは、涙を流しながら、豆吉どんとお嫁さんを、うらやましそうに見ています。
そして佐助どんの背中には、なぜか、いっしょに暮らすことになった、ばあさまがおぶさっているのです。
この、ばあさまの顔が、なんとも幸せそうなのです。
脚本には、佐助どんは「なきべそを かきながら、ばあさまといっしょに なかよく くらしたそうな」と、書かれています。
じいさまや、ばあさまの幸せそうな顔は、なんだかホッとしていいです。
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