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絵本

 題名 ベーコン わすれちゃ だめよ!
 作・絵 パット・ハッチンス
  渡辺 茂男
 発行 偕成社 / 1977年9月
 サイズ 21 x 26cm・32ページ
 男の子が、おつかいをたのまれます。
 買ってくるものは、4種類の食べ物です。
 ちゃんと買ってくることができるのでしょうか!?
 というのが、この絵本の内容です。

 男の子は、買ってくるものを忘れないように、暗唱を繰り返しながら歩いていきます。
 けれども繰り返すたびに、買う予定の品物が、歩きながら目にしたものへと、どんどんとすり替わっていきます。

 これが終盤まで続くのですが、おもしろいです!

 おかしいだけではなく、次はどうなるのかという期待感が増して、ページをめくること自体にワクワクしてきます。
 これは、絵本ならではの楽しさです。

 一つ付け足しです。
 買ってこなければならない「ケーキ」が「ケープ」に変化した場面で気が付いたことがあります。
 英語ならば、すべての変化が言葉遊びになっているのだと思います。
(この辺のところは確認をしていませんので定かではありません)
 けれども、言葉遊びがあってもなくても十分に楽しめます。

 もう一つ付け足しです。
 男の子といっしょに、犬が買い物に出かけています。
 この犬は、どの場面でも、チョウチョを追いかけてじゃれています。
 犬といっしょにチョウチョが描かれていないのは、おつかいに出発する前の扉のページだけです……と思ったら、もう一ヶ所、裏表紙にも描かれていませんでした。

 この裏表紙は、表紙の絵を反転させたものです。でも表紙に描かれいるチョウチョが、いなくなっています。
 なぜチョウチョは、裏表紙には描かれなかったのか?

 男の子は、もう一度おつかいに行くことになります。
 ですから裏表紙は、二度目のおつかいの様子だということが考えられます。

 作者は、男の子の気持ちを、チョウチョと犬によって、具体的に見える形にして表したのではないでしょうか。

 もしそうだとしたなら、裏表紙に描かれた、チョウチョがいなくなって前方を見つめている犬は、周りの風景に惑わされることなく、二度めのおつかいに集中している、男の子の気持ちを表しているのかもしれません。

 ちょいと確認してみてくださいね。

題名:ベーコン わすれちゃ だめよ!

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