絵本 |
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□ 題 名 | でんしゃがくるよ | ||||||||
□ 作・絵 | 遠山 繁年 | ||||||||
□ 発 行 | 教育画劇 / 2001年5月 | ||||||||
□ サイズ | 24.5 x 21cm ・ 32ページ | ||||||||
きっとどこかに、あるのです。 ふくろうが、駅長さんをやっている、すてきな駅のことです。 その駅は、ポツンと建っているんです。 見晴らしのきく、とっても広い野原のようなところです。 車なんて通れそうもない土の一本道、おたまじゃくしが泳いでいる小川、遠くのほうにポッコリと並んでいる小山、形を変えながら流れていく雲、ふんわかと飛んでいく鳥。 そんな風景の中に、ちっちゃな駅が、ポツンとあるのです。 その駅は、きっとどこかにあるはずです。 だって、線路は、絵本の中だけで、完結しているわけではないのですから。 線路は、どこまでもつながっていくものです。 どこかの街のはずれにある、使われなくなって錆び始めているような線路をたどっていったなら、もしかしたら、ふくろうが駅長をしている駅に、たどり着けるのかもしれません。 ふくろうが駅長をしている駅の名前は、「えき」のようです。 駅名を記している看板に「えき」と書いてあるります。 でも、その看板には、上り方面が何駅なのかも、下り方面が何駅なのかも書いていません。 きっと、そんなことどうでもいいことなんです。 みんなが、好きなところへ行けばいいんです。 行きたいところに行きたいと思えば、きっと行くことができるのですから。 その「えき」に出入りする「でんしゃ」は、ただの「でんしゃ」じゃありません。 たぬき専用の「でんしゃ」だったり、カエルやおたまじゃくしが乗る「でんしゃ」だったり、花たちが乗る花園行きの「でんしゃ」だったりします。 ただの「でんしゃ」じゃないから、走っている音だって「ガタンゴトン ガタンゴトン」じゃありません。 「ポンポコリン ポンポコロン」だったり、 「ゲロゲローン ゲロゲローン」だったりします。 そんな楽しい「でんしゃ」たちが、の〜んびりと、入ってきたり、出て行ったりします。 の〜んびりとしているはずです。 駅長のふくろうは、あんまり仕事もしないで、寝てばかりいるのですから。 でも、ふくろう駅長は、すごく大切な仕事をしていたんです。 これだけやっていれば、あとは、何があったっていいんです。たいした問題じゃありません。 ふくろう駅長は、ちゃんと何が大切なことなのかを知っていたんですね。 さ〜て、その大切なことってなんだったのでしょうか。 |
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題名:でんしゃがくるよ |
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