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絵本

 題名 じゃんけん
 作・絵 むらい きくこ
 発行 岩崎書店 / 2004年3月
 サイズ 24.5 x 21.5cm・28ページ
 じゃんけんは、遊びの一つであり、勝ち負けを決める単なる方法の一つです。

 このじゃんけんは、スポーツなどと違って、いろいろな鍛錬をしたからといって、絶対に勝てるようになるなんてことは、ありません。

 偶然が、勝負の決め手だからです。
 偶然の結果を、人の力で必然にするなんてことは、神様ではないのですから、出来るはずがありません。

 でも人は、そんなことをしようと悪あがきをするものです。

 相手は、よく「チョキ」を出すから「グー」を出そう。
 でも今度は、相手も裏をついて「パー」を出すかもしれない。
 そうはさせないぞ。こっちも裏をかいて「チョキ」を出してやろう。
 でも相手だって、そのまた裏をついて「グー」を出すかもしれない。
 そんなの甘い甘い、そのまた裏をかいて、こっちは「パー」を出してやろう。

 結局こんなことが、いつまでも続いて、グーチョキパーの迷路にはまり込んで、出て来られなくなってしまいます。
 あげくのはてに、疲れきってしまって、「ええ〜い、わからなくなったー。もういいや。気まぐれで出してやれ!」なんてことになるのです。

 なんでもない勝ち負けを決めるだけの「じゃんけん」だって、これだけ盛り上がります。

 でもこの絵本では、三兄弟が、大好きなイチゴのショートケーキをかけて「じゃんけん」に挑むのです。

 緊張感があります。
 最初は、「なんだ、ただの、じゃんけんか」なんて思っていても、どんどんと勝負に引き込まれていきます。

 三兄弟は、兄、二男、長女の三人なのですが、主人公は、じゃんけんの弱い二男です。
 
 よみっこをした時は、いつのまにかみんなは、この二男を応援していたようです。
 そして、「やったー」とか「あ〜」とか声を出していました。
 盛り上がりますよ。

 さてさて二男は、大好きなショートケーキを食べることができるのでしょうか?!

題名:じゃんけん

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