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絵本

 題名 かめのヘンリー
  ゆもと かずみ
  ほりかわ りまこ
 発行 福音館書店 / 2003年4月
 サイズ 28 x 22cm・32ページ
 ヘンリーは、カメのぬいぐるみです。
 女の子のちよみちゃんは、赤ちゃんの時から、いつでもヘンリーと一緒に過ごしてきました。
 ある日ちよみちゃんが、病気になって寝込んでしまいます。そして、いつのまにか薄汚れてしまっていたヘンリーは、お医者さんから「ほこりや ばいきんは、びょうきに よくありませんよ」と言われて、ちよみちゃんから引き離されてしまうのです。
 ちよみちゃんの病気は、なかなか治りません。ヘンリーは、ちよみちゃんのことが心配です。さ〜てヘンリーの冒険が、ここから始まります……というのが、ストーリーの話です。

 私は、物語自体が大好きす。でももう一つ、絵本から伝わってくる不思議な雰囲気も気に入っています。
 この雰囲気は何だろ〜? と考えてみて気がついたのは、「無国籍感」です。「ちよみ」ちゃんなんていう、典型的な日本人の名前が書かれているにも関わらず、どこか遠くの国の話のようにも感じるのです。

 ちよみちゃんのヘアースタイルが、レゲエ!?を歌う人のようだということだけではありません。
 裏表紙には、ちよみちゃんが住んでいると思われる家が描かれています。洋館です。ちょっとした庭のある豪邸で、日本の雰囲気が漂っていません。
 そして、ヘンリーが追いやられた物置部屋も、古時計や大きな皮のトランクなどがあって、日本のにおいがしてきません。
 こうなると、もっと「無国籍感」を探してみたくなってきます。
 ありました!
 小さいころのちよみちゃんが眺めている本の表紙には、どう見ても日本語ではない異国の文字が書かれています……
 こんなことで遊ぶのも絵本の楽しみですね!

題名:かめのヘンリー

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