絵本 |
|||||||||
□ 題名 | Papa! パパーッ! | ||||||||
□ 作・絵 | フィリップ・コランタン | ||||||||
□ 訳 | 薫 くみこ | ||||||||
□ 発行 | ポプラ社 / 2002年10月発行 | ||||||||
□ サイズ | 25 x 29cm ・ 24ページ | ||||||||
この絵本の原題は、「Papa!」だけです。 当然「パパーッ!」は付いていません。 英語でありフランス語でもある「Papa」と日本語の「パパ」は、共に父親を表す言葉です。 ちなみに「Papa」は、スペイン語ではジャガイモを意味して、イタリア語ではローマ法王をさして言う言葉です。 作者のフィリップ・コランタンさんは、パリ生まれで、現在もフランスの郊外に住んでいるということなので、題名の「Papa」はフランス語です。 さてそれでは、訳者の薫(くん)さんは、日本語版の題名を「パパーッ!」だけにしないで、なぜ「Papa!」を残したのでしょうか? 物語は、男の子が、眠る前にベットの上で本を読んでいるところから始まります。ところがしばらくして、せっかくうつらうつらとし始めたのに、ぱっちりと目が覚めてしまうのです。 だって、男の子の隣には「かいじゅう」がいたのですから。 ……この先も紹介したい! でも、やっぱり絵本を手にとって読んでもらいたいと思います。 とにかく、おもしろいのです。楽しいのです。不思議なのです。 絵がきれいで、キャラクターも魅力的です。 黒色を基本にした表紙も、本文に使用されている真っ白ではないクリーム色がかかった紙も、夜の雰囲気を感じさせてくれて、とてもいいのです。 ところで、薫さんの日本語版の題名は、おそらく…… 「男の子」と「かいじゅう」を意識しているのではないでしょうか! 二つの異国の言葉を並べることによって、絵本の内容を示唆しようとしたのだと思うのです。 ニクイ演出にワクワクしてきます。 ……こういったことしか書けないのがくやしい。 ……パパーッ! どうすりゃいいの! とにかく読んでみてくださいね。 ―――――――――――――――――――・―――・―・ 児童館で「Papa! パパーッ!」の よみっこをしてきました。 一番、気にしたことが、「パパーッ!」の叫びです。 唖然、呆然、驚愕、恐怖……訳が分からなくて、どうしていいか分からなーい! という感じでしょうか。 叫んだ後に、子どもたちの顔を見ると、絵本の絵と同じような顔をして見入っていました。 もう一つ気にしたことが、聞き手の視線です。 この絵本は、少し大きめのサイズで横長のものです。見開きには、左右に一つずつ、きっちり文章に合わせた絵が描かれています。ですから、読んでいる文章と見ている絵が一致しないと、分かりづらくなってしまうだろうなと思ったのです。 私は、見開きページの中に、いくつものシーンが描かれていたり、多くの登場人物が描かれていて、誰のセリフか分からないような場合、ちょいと指をさしたりしています。 でも今回、初めてやったことがあります。 全部のページではなく、ここだけはというポイントを決めてやったものです。 絵本(左綴じ)のページをめくった時に、ページをめくった手を絵本をささえるようにして、左のページの下に添えたままにしておきます。左のページの場面が終わってから、ゆっくりと手を右のページにずらしました。 (私の場合は、左綴じの絵本は右手で本を持って、左手でページをめくります) そうしてから、右のページを読みました。そうすると、手の動きに合わせて聞き手も視線を動かしてくれるのです。 とにかく、楽しめますよー! |
|||||||||
題名:Papa! パパーッ! |
Copyright © 2002 [chaury] All rights reserved.