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絵本

 題名 りんごがひとつ
 作・絵 ふくだ すぐる
 発行 岩崎書店 / 1996年5月
 サイズ 24 x 21cm・32ページ
 「おさる」が、何回も「切羽つまる」のです。
 だから、絵本をながめながら、何回もドキドキします。

 お腹をすかしたライオンや、ゾウや、ネズミや、キリンたちが、たった一つのリンゴを見つけます。
 突然、このリンゴを一匹の「おさる」が、奪い取って逃げだすのです。

 とうぜん他の動物たちは、怒って追いかけます。
 み〜んな、お腹がすいているのです。

 おさるが、追いつめられて切羽つまります。
 でも、この窮地を何度も切り抜けます。

 この切り抜け方が、絶品です。
 「あっ!」と驚いたすぐ後に、笑ってしまうこと請け合いです。

 そしてラスト!
 動物たちは、ようやく、おさるを完全に追い詰めます……

 でも動物たちは、おさるからリンゴを取り戻しませんでした。

 みんなは、「やれやれ」と言いながら、おさるの前から立ち去っていったのです。

 おさるは、みんなに追われて切羽つまっていただけではありませんでした。
 おさるは、みんなが見つけた、たった一つのリンゴを持って逃げてしまう以前から、すでに切羽つまっていたのです!

 「何に切羽つまっていたんだー?」と、興味を持った人は、「りんごがひとつ」を見てくださいね。

 おかしくて、ちょいと胸がキュキュッとなる絵本です。

題名:りんごがひとつ

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