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絵本

 題名 しゃっくりがいこつ
  マージェリー・カイラー 
  S・D・シンドラー
  黒宮 純子
 発行 セーラー出版 / 2004年10月
 サイズ 26 x 26cm・32ページ
 なにやらおかしなタイトルです。
 それに表紙の絵だって、バストショットのガイコツが、鼻?をつまみながら、コップを持って水を飲んでいるのですから。

(ガイコツに鼻はありません。
 ちょいと調べてみたところ、つまんでいるのは、『軟骨』か『鋤骨(じょこつ)』という骨かもしれません……
 「そんなことは、どうだっていいじゃないか!」なんてことは、せっかく調べたのだから言わないでください)

 おかしなタイトルに、おかしな絵です。
 でも主人公は、目の前に現れたなら、間違いなく恐ろしい「がいこつ」です。
 ですから、ほんのちょいとだけ不気味な雰囲気がただよいます。

 水を飲んでいるガイコツの後ろには、くら〜い闇が広がっています。
 その闇の中には、目をかた〜くつぶった時などに見える、赤や青の光の粒が、うっすらと浮かんでいます。

 表紙を開くと、見返しには何も描かれていません。けれども、濃紺の闇が一面を埋め尽くしています。

 見返しをめくって扉のページに進むと、一転して真っ白になります。
 ただ、その中の一部分には、大きさの違う3つの「ヒック」の文字が、角ゴシックで書かれています。
 墨を吹き付けたように、もしくは墨がこぼれ落ちたような黒い「ヒック」は、純白を汚しているような感じがします。

 しゃっくりが止まらない時、体の中で小さな虫が動き回っているのじゃないかと感じる時のことを、思い出してしまいました。

 どうですか! これでイメージが高まってきましたね〜

 そうです。この絵本は、しゃっくりがとまらない「がいこつ」の話なんです……
「そんなことは、タイトルを見れば、だいたいわかかるだろ!」なんてことも言わないでください。

 わかっていてもいいんです。
 わかっていても、作者が絵本の中に仕組んだものを楽しみながら、オープニングでイメージを作り上げることが大切です。

 そうすれば、その後の物語を、よりいっそう楽しむことができるはずです。

 「しゃっくりがいこつ」に対するイメージがふくらんだなら、内容の説明なんて必要ありません!

 「内容を知りたいから、本の紹介を読んでいるのに何なんだ!」てなことも言わないでください。
 とにかくおもしろいですから見てみてくださいね。

題名:しゃっくりがいこつ

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