絵本 |
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□ 題名 | 空の飛びかた | ||||||||
□ 作 | ゼバスティアン メッシェンモーザー | ||||||||
□ 訳 | 関口 裕昭 | ||||||||
□ 発行 | 光村教育図書 / 2009年5月 | ||||||||
□ サイズ | 21 x 23cm・49ページ | ||||||||
風采の上がらない中年男。 そんな男が、ペンギンに出会う。 ペンギンは、空を飛んでいたらしい。 でも、きゅうに飛べなくなって空から落ちたのだと言う。 男の一人称の文章の中で、男はペンギンのことを「やつ」と呼ぶ。 軽蔑はしていない。 けれども、リスペクトもしていない。 「やつのみすぼらしい姿をみかねて、 ひきとってやることにした」 さげすんではいないけれども、哀れみを持って見ているのかもしれない。 そんな男のペンギンへの視線は、どこから来るのか? どこから来ているのでもない。 風采の上がらない中年男は、ペンギンに自分自身を見ていたんだ。 空を飛べなくなったペンギンの「空の飛びかた」…… これは、現状を打破するためにもがく男の物語だ。 結果…… 男が最後に言う「やつ」には、哀れみがなくなる。 そして、なんとも心地のよい響が伝わってくる。 男が自分自身を認め、勇気を取り戻した瞬間だったのかもしれない。 明日からの男の姿が見えるようなラストシーンだった。 |
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題名:空の飛びかた |
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